「湯葉に似た腐竹という食品をスーパーで見かけたけど、湯葉とどう違うんだろう」
「中国に住んでいた時に食べた腐竹を日本でも食べたい。日本の湯葉とは違うのかな。湯葉で代用はできないかな?」
そんな風に考えている人はいませんか。
腐竹とは中国の湯葉。日本の湯葉とは、同じ点もあれば違う点もあります。
こちらの記事では、腐竹と湯葉の違いについて解説し、さらに腐竹の特徴やレシピ、購入方法などについて紹介していきます。
お読みいただくことで、腐竹と湯葉について理解が深まり、適切な方法で腐竹を扱えるようになりますよ。
腐竹(ふちく)と湯葉の違い
腐竹とは、中国の乾燥湯葉のひとつ。
日本の湯葉は中国から伝わったとされますが、中国と日本ではそれぞれ異なるルートで湯葉は発展してきました。
日本でも「ゆば」は京都では「湯葉」、日光では「湯波」と表記されるように、地域によって独自の発展を遂げてきました。
こちらの記事では、「ゆば」を「湯葉」と表記します。
- シート状に干したもの・・・「腐皮」(フーピー)。「豆腐皮」ともいう。
- 棒状に絞ってから干したもの・・・「腐竹」(フゥヂュウ)。日本では「棒ゆば」とも表現します。
- 結んだもの・・・「腐皮結」(フーピージエ)。日本では「湯葉結び」とも表現します。
中国の湯葉は乾燥湯葉が中心です。また、巻いた形の湯葉はあまり見かけません。
腐竹の特徴
材料は日本の湯葉同様、大豆と水だけで作られます。製法も違いはなく、豆乳を煮詰め、表面にできたタンパク質の膜をすくって乾燥させて完成させます。
腐竹は、厚く食べ応えがあって、しっかりと大豆を感じられる味わいです。
一方、日本の湯葉は腐竹にくらべて薄く食べやすい食感で、優しい味わいであることが特徴です。
腐竹と日本の湯葉は、原料や製法は同じでも食感や味わいが違うということですね。
腐竹のメリット
- 乾物のため、賞味期限が長い
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買い置きができ、必要なときに好きな分量だけ戻して使えるため便利です。約1年もちます。
- 大豆製品のため、栄養が豊富である
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動物性タンパク質の肉や魚に比べてカロリーや脂質が低めなため、ダイエット中のタンパク質補給にぴったりです。
腐竹の戻し方
腐竹は乾燥して硬いため、やわらかく戻す作業が必要です。
食べやすい長さ(4cm程度)にキッチンハサミでカットし、50~60℃のぬるま湯に数時間つけて戻します。戻す時間は、最低3~5時間が必要です。急いでいるときは30分程度沸騰したお湯で湯がくといいですよ。
腐竹を使った料理レシピ
- 火鍋に入れる
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中国では、火鍋に腐竹は欠かせません。火鍋とは中国で食べられている、火にかけながら熱々を食べる鍋料理。
地方によってさまざまなタイプの火鍋があります。「火鍋=辛い」イメージがあるかもしれませんが、辛くない火鍋もたくさんあります。
火鍋の材料として、肉やホルモン、野菜やきのこのほか、腐竹もよく使われます。
- 煮物
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腐竹はしっかりとした食感で煮崩れしないため、煮物にぴったりです。青菜や大根などと煮るメニューが一般的です。
- 炒め物
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腐竹は炒め物にもよく合います。
油をしき、にんにくや唐辛子、豚肉、腐竹、ピーマン、にんじんなどを炒めます。ソース、醤油などで味を調えて完成です。
- 精進料理
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腐竹は動物の殺生をしない植物性食品のため、昔から精進料理によく使われてきました。
- パスタやラザニア
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パスタやラザニアの麺も、腐竹で代用できます。通常の麺よりもカロリーや糖質が低くなり、タンパク質補給もできるので、食生活をヘルシーにしたい人におすすめです。
- サラダのトッピング
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生野菜とともにドレッシングをかけて食べるとおいしいです。
- お味噌汁に入れる
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お味噌汁の具に腐竹を入れても合います。大豆製品同士、相性は抜群ですよね。
腐竹の購入方法
- 中華街のチャイニーズショップ
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横浜や神戸などの中華街には本格的な中華食材を取り扱うお店が多く、腐竹も購入できます。
- オンラインショップ
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中華食材店のオンラインショップのほか、アマゾン、楽天など大手ショッピングサイトでも取り扱いがあります。
- 業務スーパー冷凍コーナー
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一部の業務スーパーにも販売されています。
冷凍状態で販売されており、解凍してそのまま食べられます。しかし、独特の大豆の匂いをなくすために、さっと湯通しするのもおすすめです。
腐竹を見かけた人は、パッケージが湯葉と似ているため、湯葉とどう違うのか悩むかもしれませんね。
腐竹の口コミ・評判
腐竹を購入する人の動機や感想を、オンラインショップの口コミからピックアップしてみました。
- 中国に住んでいるときは、気軽に買える食べものだったのに、日本のスーパーは売っていない。乾物で日持ちするので、オンラインショップで大量に買いだめした
- 火鍋で食べてはまって、思い出しては買うようになった
- 腐竹という響きに驚いたけれど、乾燥湯葉と似たものとわかり、興味がわいて購入した。独特な食感がよく、食べ飽きない味。手軽でおいしく、メニューの幅が広がる
- 戻すのに時間がかかるけれど、簡単に使えて便利
- 常温で日持ちするので重宝する
(Amazon・楽天市場で腐竹を購入した人の口コミを筆者が一部加工の上紹介|2024年3月)
もともと腐竹を食べることに慣れ親しんでいて購入する人と、この珍しい食材に興味が沸いて注文する人がいるようでした。
腐竹を柔らかい状態に戻すのに時間がかかることがネックですが、日持ちすることや取扱いが簡単なことなどから、高い評価がついていました。
ちなみに、湯葉をオンラインショップで購入した人の動機や感想は次のとおりでした。
- 以前食べて美味しかったから購入した
- 湯葉好きな人にプレゼントしたくて購入した
- ふわっとした口当たりが好きで購入した
- タンパク質を摂りたくて購入した
(Amazon・楽天市場で湯葉を購入した人の口コミを筆者が一部加工の上紹介|2024年3月)
従来から湯葉を食べ、湯葉が好きな人が注文する傾向がありました。贈答用や、湯葉のもつ豊富な栄養素に注目して注文する人も目立ちました。
どうして腐竹という名前で湯葉が売られている?
腐竹の名前の由来は諸説あるようですが、形が干した竹に似ていることからこの名前がついたとも言われています。
「腐」は中国で「柔らかい」、「ばらばらになる」という意味があり、大豆の加工品であることを示しています。腐る、腐っているという意味ではありません。
ちなみに、「豆腐」は中国でも「豆腐」。「豆を煮潰して柔らかくしたもの」という意味です。
参考:松崎 修「豆腐の名称由来について」『 会誌 食文化研究NO.5』2009
まとめ
腐竹と日本の湯葉の違いは、まとめると次の通りでした。
- 腐竹は厚く、しっかりとした食感
- 腐竹は煮崩れしにくいため、煮物や炒め物など料理のレパートリーは広い
- 湯葉の方が薄く、味わいもやさしい
一方、共通点も多くありました。
- 原材料・製法は同じ
- 大豆の豊富な栄養素を含んでいる
腐竹という名前は、干した竹に似ているからでした。
中国で腐竹を使った料理に親しんでいた人は、日本でも思い出し食べたくなるでしょう。
中華食品店やオンラインショップ、一部のスーパーで入手できるので、ぜひ手に入れてみてください。珍しい食材や中華料理に興味がある人、大豆の豊富な栄養分を積極的に取りたい人も、ぜひ腐竹を手に入れてみてくださいね。