「ダイエット中こそタンパク質が必要と聞いたけど、何をどれくらい食べたら効果的なのかな」
「年を重ねて筋肉が落ちてきたみたい。疲れやすくなったし、冷えやすくなった。大事だといわれているタンパク質、もっと摂ったほうがいいのかな」
「ダイエットを成功させて、理想の体型を手に入れて、もっといきいきと過ごしたいな。そのためにはどんな食生活を送ればいいのだろう」
こんな悩みを抱えている人はいませんか。タンパク質が体の健康のために大切だという認識は、近年進むようになりました。しかし、具体的になぜタンパク質が健康にいいのか、大豆のタンパク質はどれくらい良質なものなのか、わからない人も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、大豆のもつタンパク質について取り上げます。
はじめに、アミノ酸スコアを通じたタンパク質の見方について確認し、大豆タンパク質の凄さを紹介します。次に、自分に合ったおすすめのタンパク質や摂取のポイントを紹介します。お読みいただくことで、大豆タンパク質の持つ働きと健康効果、摂り方のポイントを学べますよ。
上手に大豆タンパク質を取り入れることで、ダイエットの成功や病気予防につながり、いきいきと過ごせるようになるでしょう。
タンパク質と言ってもいろいろな見方があるんです!
タンパク質は、体のあらゆる健康維持のため必要なもの。筋肉、骨、臓器、髪や肌や爪をも作ります。タンパク質は大きく分けると「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」の2つがあります。
動物性タンパク質・・・肉、魚、卵、牛乳など
植物性タンパク質・・・大豆、その他の豆類、穀物、ナッツなど
タンパク質を評価する見方はいろいろありますが、代表的なものとして、アミノ酸スコアや吸収率、吸収速度があるでしょう。
アミノ酸スコア
アミノ酸スコアとは、タンパク質の質を表す指標です。
人に必要な20種類のアミノ酸のうち、体内で作り出せない9種類の必須アミノ酸があり、これらは食品から摂取する必要があります。この9種類の必須アミノ酸をバランス良く含んでいるかが、アミノ酸スコアで表されます。
アミノ酸スコアは100が最高値。肉(牛肉・豚肉・鶏肉)、魚、卵など動物性タンパク質の多くは100と表されます。
植物性タンパク質は一般的にアミノ酸スコアは低めです。しかし、大豆は、植物性タンパク質の中では珍しいアミノ酸スコア100の食品。
以前は86と評価されていた時期もありましたが、評価方法が改善され、現在は100とされています。大豆単体だけでなく、豆腐や厚揚げ、納豆、豆乳、湯葉など大豆を加工した食品もすべて100。
大豆や大豆加工品は、バランスの取れた優れたタンパク質ということですね!
参考:不二製油株式会社|大豆タンパク質の健康知識 基本編
タカノフーズ株式会社|大豆のたんぱく質について
吸収率・吸収速度
アミノ酸スコアのほかにもタンパク質の見方として、吸収率や吸収速度という指標もあります。
大豆の吸収率は95%以上と高いもの。大豆を摂取すると栄養素はほぼ体内に吸収されると見てよいですね。野菜や果物のビタミンを一緒に摂るとさらに吸収率が上がるといわれています。ぜひバランスのよい食事を心がけましょう!
大豆の吸収速度は、動物性タンパク質に比べてゆっくりめです。
しかしこれは、腹持ちがいいことにつながるため、ダイエット中で食事量を減らしたい人には好都合ともいえますね。
大豆のタンパク質はどれくらい良質で健康にいい?
大豆は「畑の肉」といわれるほど優れたタンパク質で、脂質は少なく、食物繊維が豊富。女性ホルモンに似た作用をするイソフラボンも多く含み、非常に良質なタンパク質です。近年は、大豆の栄養成分を詰め込んだソイプロテインが普及し、ダイエットや筋トレのおともによく利用されていますよね。
大豆の主な健康効果を3つ紹介します。
炭水化物 | タンパク質 | 脂質 | カロリー | カルシウム | 食物繊維 | |
黄大豆(乾) | 29.5 | 33.8 | 19.7 | 372 | 180 | 21.5 |
コレステロールや中性脂肪を低下させる
大豆タンパク質は、コレステロールや中性脂肪を低下させます。
動物性タンパク質の代わりに大豆タンパク質を食べるようにすると、総コレステロール、特に悪玉(LDL)コレステロールと中性脂肪が低下することが研究結果でも証明されています。
コレステロール値が正常の人が大豆をたくさん食べても、コレステロール値が下がりすぎることはなく、その点の心配はいりません。
植物性タンパク質の積極的な摂取は、糖尿病や心血管疾患、癌のリスクも低下するといわれており、大豆の摂取は健康促進におすすめです。
参考:不二製油株式会社|大豆タンパク質の健康知識 基本編
糖尿病ネットワーク|植物性タンパク質を食べると糖尿病リスクが減少 大豆タンパクで健康的な老化を促進
筋肉を強くする
大豆には、筋肉量や筋力の低下を抑える役割があります。そのため、筋肉が減っていく中高年の年代に特におすすめのタンパク質。
大豆なら、食が細くなってきた人でも口にしやすいですよね。大豆にはさまざまな大豆加工品があるため、好みのものを見つけやすく、食生活に無理なく取り入れられます。
運動不足気味の人が蒸し大豆を食べると、筋量や筋力の向上につながるともいわれています。大豆摂取は、運動不足のタクシードライバーの筋機能を向上させることを示した研究データもあるのですよ。
参考:PRTIMES|フジッコ「蒸し大豆の継続摂取は、運動不足気味の健常人に対して筋量および筋力を向上させることを証明」
日経woman|今こそ知っておきたい大豆のメリット
ダイエットを成功させる
大豆タンパク質の摂取は、ダイエットの成功にも役立ちます。
ダイエットにタンパク質の摂取が不可欠な理由は、タンパク質が筋肉を作り出すからです。その筋肉が基礎代謝を高めます。基礎代謝が高まると脂肪燃焼効果も高まるため、ダイエットにつながるというわけです。
タンパク質を摂らずにダイエットをすると一見痩せたように見えても、実は筋肉が落ちただけ。筋肉が落ちるとこの基礎代謝も落ちてしまい、逆に太りやすくなるのです。
そのため、ダイエットにタンパク質が不可欠なのですが、その中でも大豆タンパク質は以下の理由から、ダイエットに特に効果的な食品です。
- 動物性タンパク質にくらべてカロリーや脂質が少ない
- 吸収速度が遅いため、腹持ちがいい
大豆の過剰摂取のデメリット
大豆の過剰摂取により、次のようなリスクが考えられます。通常の食事を摂る分には心配はありませんが、食事に加えてサプリメントなどで上乗せして摂取すると危険な場合があります。
- 肝臓や腎臓などの消化器に負担がかかる
- 食物繊維の過剰摂取につながり、腹痛や下痢など消化不良を引き起こす
- イソフラボンの過剰摂取につながり、ホルモンバランスの乱れを起こす
- カロリー過多になり、太る
とはいえ、国は豆類摂取の目標値を1日100g以上としています。一方で、1日あたりの豆類摂取量の実態は平均約60gと、目標値を大きく下回っているのが現状。
過剰摂取を心配するよりも、積極的な摂取を心がける必要がありますね。
参考:農林水産省|大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
厚生労働省|健康日本21目標値一覧
厚生労働省|令和元年国民健康・栄養調査
【参考】動物性タンパク質の弱点
肉や魚、卵といった動物性タンパク質も、アミノ酸スコア100で優秀なタンパク質です。吸収率もよく、吸収速度も速いという優れもの。運動前後に動物性タンパク質を摂取すると、筋肉の増強に効果があります。
しかし、動物性タンパク質の摂取量が多いと、コレステロールが増え、糖尿病や動脈硬化など生活習慣病リスクが高まります。動物性タンパク質の過度な摂取は控えましょう。
参考:日本経済新聞|筋肉作るのは牛乳か豆乳か 最新研究で知るたんぱく質
大豆のタンパク質についてのまとめ
大豆は良質なタンパク質であり、次のような健康効果があることがわかりました。
- コレステロールや中性脂肪を低下させる
- 筋肉を強くする
- ダイエットを成功させる
病気を予防し健康を維持したい人、筋肉をつけたい人、ダイエットを成功させたい人は積極的に大豆を摂取していきましょう。筋トレとあわせるとさらに効果がありますよ。
「最近太りやすい」、「冷えやすい」、「疲れやすい」といった悩みを抱える方にも、大豆タンパク質の摂取はおすすめです。基礎代謝が上がり、これらの悩みが解消されるからです。
大豆タンパク質のもつ健康効果が自分に必要と感じた方は、ぜひ大豆タンパク質を意識して摂取していきましょう。摂取する際は、「こまめに摂る」、「他の食品と一緒にバランス良く食べる」のもポイントです。
ぜひ大豆タンパク質を味方につけて、元気な体でいきいきと過ごせるようになりましょう!