大豆サポニン(ダイズサポニン)とは?効果や毒性について解説

大豆 サポニン アイキャッチ

大豆製品は栄養素が豊富な食品として知られています。具体的には、大豆たんぱくや大豆イソフラボン、ビタミンB・E群、不飽和脂肪酸、サポニンなどの栄養素が多いです。

しかし、大豆に含まれる大豆サポニン(ダイズサポニン)は苦味や渋みの元であり、サポニンが含まれている食材によっては、毒性をもっている食材も少なくありません。

そのため、「大豆を食べても本当に大丈夫かな?」と考えてしまう方もいるでしょう。

この記事では、大豆サポニンの作用や毒性、摂取する上での注意点について解説します。大豆サポニンの成分について理解した上で、健康や美容に役立つ大豆製品を積極的に食べていきたいと考えている方は参考にしてみてください。

目次

大豆サポニン(ダイズサポニン)とは?何に含まれているのか

大豆 サポニン 特徴

大豆サポニンとは、大豆に含まれているエグ味や苦味成分です。大豆をゆでた時に出てくるアクに大豆サポニンも多く含まれます。サポニンはごぼうや高麗人参、アマチャヅル、キキョウ、オンジなど、主に豆科の植物に含まれています。植物の根・茎・葉の部分にまんべんなく含まれていますよ。

様々な植物含まれるサポニンに共通する特徴として、よく泡立ち、水と油によく溶ける性質をもっているため、古くから石鹸として利用されてきました。

大豆サポニンには、以下のような効能・作用があります。

  1. 免疫力を向上:ナチュラルキラー細胞を活性化し、ウイルス・細菌から体を守る
  2. 抗酸化作用:悪玉コレステロールを除去し、動脈硬化や心筋梗塞を予防する
  3. 肥満予防:脂肪の蓄積を抑制・予防し、脂肪の燃焼を助ける作用がある
  4. 肝機能を向上:過酸化脂質を抑制し、脂肪肝を予防する

大豆サポニンが最も豊富に含まれている大豆製品は高野豆腐です。製造過程で大豆に含まれる良質なたんぱく質や脂質、ミネラル、ビタミン、サポニンが凝縮されているので、普通の豆腐を食べるよりも、大豆に含まれる栄養素をより効率的に摂取できます。

大豆サポニンの推奨摂取量は定められていませんが、大豆イソフラボンの推奨摂取量は1日75mgとなっています。食品別の大豆イソフラボン含有量の目安は以下のとおりです。

  • 納豆2パック(45g×2):約71mg
  • 豆腐一丁(300g):約80mg
  • 豆乳(200g):約82mg
  • 厚揚げ(30g):約12mg
  • みそ(20g):約6mg
  • 醤油(5.85g):約0.08mg

引用元

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所|「健康食品」の素材情報データベース

公益財団法人 長寿科学振興財団|サポニンと効果と摂取量

大豆サポニン(ダイズサポニン)の毒性や注意点

大豆 サポニン 毒性

サポニンの中にはごぼうに含まれるサポニンのように毒性を含む種類もあります。サポニンには悪玉コレステロール値の上昇を抑制する効果があると説明しましたが、この効果が強い一部のサポニンには、食べると毒性を発揮するものもあるのです。

たとえば、生薬の一種であるキキョウやサイコに含まれるサポニンを食べすぎると、強い吐き気や溶血作用をもたらすため、用法・容量は厳守する必要があります。

ただし、大豆サポニンにそのような毒性はありません。大豆や人参に含まれるサポニンは安全性が高いと考えられており、推奨摂取量なども特に決められていないのが現状です。

食べるときに気をつけるポイントは?

大豆サポニンの健康効果を実感するためには、できる限り大豆サポニンを逃がさないように食べられる調理方法を覚えておく必要があります。大豆サポニンには水に溶けやすい性質があります。そのため、煮たり、ゆでたりするよりも、蒸して食べるのがおすすめ。

また、茹で汁ごと煮物や汁物などに使っても、大豆サポニンを無駄なく摂取できますよ。

大豆サポニンを無駄なく摂取できるレシピ例は以下のとおりです。

【高野豆腐の照り焼き】

材料(2人前)

・高野豆腐 3個

・小麦粉 少々

・サラダ油 大さじ2

【ソース】

・砂糖 大さじ½

・しょうゆ 大さじ1

・みりん 大さじ1

・酒 大さじ1

作り方

1.高野豆腐を水で戻す

2.半分に切って、小麦粉をまぶす

3.サラダ油を引き、フライパンで両面焼く

4.焼き目がついたらソースを加えて焼く

5.高野豆腐と付け合わせの野菜を皿に盛り付けて完成

【まとめ】大豆サポニンについて

まとめ

この記事では、大豆サポニン(ダイズサポニン)の効能・作用、大豆サポニンに毒性はあるのか、大豆サポニンを食べる際の注意点などについて紹介しました。

大豆サポニンには毒性がなく、推奨摂取量は定められていません。豆サポニンを食べることで、抗酸化作用や免疫力の向上、肥満予防、肝機能の向上などが期待されます。

ただし、大豆にはエネルギーやたんぱく質、大豆イソフラボンといった栄養素も含まれているので、それらの栄養素の推奨摂取量はチェックしておくのがおすすめです。

とくに大豆イソフラボンの推奨摂取量は1日75mgと定められています。推奨摂取量を大幅に超える大豆製品を食べると、健康面で悪影響があるかもしれません。

栄養成分が豊富な大豆サポニンを賢く摂取して、健康的な食生活を送ってみましょう。

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