「日本や世界の大豆の生産量が知りたい」「大豆の消費量が多い国についても知りたい」と考えている方は多いのではないでしょうか?
実は日本で消費されている大豆の大半は輸入大豆です。そのため、日本における大豆の生産量や生産している国について知ることは、自分たちが食べている大豆食品のルーツをたどることに他なりません。
この記事を読めば、日本や世界の大豆の生産量や主要生産国における今後の生産動向について理解できます。大豆生産の現状について知りたい方は参考にしてみてください。
世界における日本の大豆生産量って?
世界の大豆生産の現状を見ると、2014年時点で日本の大豆生産量は世界18位(約23万2,000トン)でした。
2022年のデータで日本における大豆需要は約370万トンで、およそ8〜9割にもおよぶ食用大豆や飼料用大豆、搾油用大豆を輸入している状況です。
ただし、大豆消費量は2002年の約400万トンをピークに減少傾向で、現在では約250万トンにまで減少中。また、搾油用大豆から食品用大豆へと消費者のニーズが徐々に移行していると言われています。
日本は大豆の一大輸入大国
日本は世界でも有数の大豆輸入大国です。以下のようなデータが出ています。
主要輸入国 | 輸入予想(2022-2023)単位:100万トン |
1.中国 | 9,600万トン |
2.EU諸国 | 1,390万トン |
3.アルゼンチン | 870万トン |
4.メキシコ | 640万トン |
5.タイ | 405万トン |
6.日本 | 350万トン |
このように、日本は世界でも有数の大豆輸入国の一つになっていることがわかりますが、国内では消費量の1〜2割しかまかなえない現状があります。
そのため、中国やブラジル、アメリカなどの主要輸出国から多くの大豆を輸入しています。とくにアメリカ産大豆は輸入大豆の7割を占めるとも言われているのです。
日本が多くの大豆を輸入している背景
大豆を多く輸入している背景には、大豆食品や調味料が日本の食文化に深く根づいている点があります。食用大豆(合計100万トン)の内訳は以下のとおりです。
- 豆腐・・・50%
- 納豆・・・20%
- 味噌・・・12%
- 豆乳・・・7%
- きな粉など・・・6 %
- しょうゆ・・・3%
- 凍り豆腐・・・2%
長年、食用大豆の8割以上の用途に使用されているのが豆腐・納豆・味噌です。健康ブームで大豆食品のニーズが高まり、納豆や豆乳の消費量がここ5年間で増加しています。
日本の食文化にはなくてはならない大豆。日本での大豆生産では国内のニーズをまかないきれないため、日本は多くの大豆を輸入しているという背景があるのです。
大豆の生産量まとめ【世界版】
世界の大豆生産の現状はどうなっているのでしょうか?独立行政法人 農畜産業振興機構がまとめた米国農務省の発表によれば、世界の大豆生産量の予想は以下のとおりです。
主要生産国 | 2023年の大豆生産量の見通し |
アメリカ | 約1億1,400万トン |
ブラジル | 約1億6,300万トン |
アルゼンチン | 約4,800万トン |
中国 | 約2,500万トン |
世界全体 | 約4億279万トン |
アメリカの農務省の最新の試算によれば、世界全体の大豆生産量は約4億279万トンになる見通しです。
アメリカやブラジル、アルゼンチンの大豆生産量を合計すると3億トンを超えることからも、北中南米における大豆生産の圧倒的な規模の大きさがうかがえます。
また中国は大豆の一大生産国であり輸入大国です。国外向けに大豆を輸出している一方で、より安価な輸入大豆を約1億トンも輸入している構造があるのです。
日本の大豆生産の展望とは
日本の大豆生産は国内の大豆の消費ニーズを1割前後しか満たせていません。日本政府も大豆の増産目標を定めていますが、その目標を達成できずにいます。
大豆生産が難しい要因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 大豆の収量がなかなか安定しない
- 天候不順で不作におちいってしまう
- 大豆生産だけでは採算が合わない
これらの諸問題を解決するためには、安定・多収生産技術の開発や収量がのびないことに対する現状認識と問題解決に向けたアプローチを模索する必要があるでしょう。
実際に大豆を湿気から守るための取り組みとして、、独自の播種技術を開発している機関もあり、耕作地に合った播種を採用した畑作りが進められている地域もあります。
今後の大豆生産の状況については、よく見守っていく必要があるでしょう。
まとめ
この記事では、日本や世界における大豆生産の現状や日本の大豆輸入量や輸入をせざるを得ない背景、日本の大豆生産の展望についてご紹介しました。
日本の大豆生産は国内の消費ニーズの1割前後しか満たしておらず、その大半をアメリカやブラジル、アルゼンチンといった北中南米の地域から輸入しています。
大豆食品が日常の食生活に密接に関わっている日本にとって、日本国内における大豆生産を拡大することは重要です。しかし、収量の増産や安定化といった課題があります。
日本における大豆の生産量の行く末は、今後も目が離せないテーマだといえます。