大豆の種類ってなにがあるの?特徴や産地一覧を紹介♪

大豆 種類

大豆は栄養価が高く、健康維持やダイエットのために積極的に摂取したい食品のひとつです。大豆にはどのような種類があり、それぞれにどんな適性があるか知っていますか。

この記事では、大事の種類特徴、産地について紹介します。

お読みいただくことで、大豆についてより理解を深めることができますよ。

目次

大豆の種類によってなにが変わるの?

大豆 種類 違い

食用とされている豆は、世界中で約70~80種類ほどあるといわれています。その豆のひとつが大豆。「豆の王様」「畑の肉」といわれるほど栄養価が高い豆で、食卓にもいろいろな形で登場します。最も有名な豆といえるでしょう。

大豆の種類は、色や大きさで分けることができます。

種類により、色、形状、味わい、用途、栄養素の含有量などがかわってきます。種類ごとに様々な形に加工されたり、多様な調理で料理されるなど、用途は多様です。

参考:農林水産省|豆のこと、もっと知りたい。

色による種類分け

大豆の種類は、色による種類分けをされることが最も一般的です。

特徴
黄大豆最も一般的な大豆。大豆というと「黄大豆」を指すといえます。くせが少なく使いやすい味わい。
黒大豆黒色。おせち調理の定番「黒豆」でおなじみ。甘みが強めです。
青大豆熟しても皮が緑色。稀少。油分が少なくさっぱりしています。
茶大豆皮が薄茶色。皮が薄く柔らかく、豆臭さが少ないのが特徴。主に東北地方で生産されています。
白大豆皮が白色。皮が薄く煮崩れしにくいのが特徴。生産量が希少。
赤大豆皮が赤色。赤エンドウ、あずき、金時豆とは別物です。西日本の限られた地域で生産されています。生産量が希少。

色による違いについては、のちほど詳しく紹介していきますね。

大きさによる種類分け

粒の大きさでも分けられ、大きさにより用途が変わります。大豆をふるいにかけて大きさを選別します。

大きさ用途
大粒大豆7.9mm以上
(一部の品種の銘柄では8.5mmや9.1mm以上)・
粒の大きさを活かし、煮豆などそのまま料理に使われます。
中粒大豆7.3mm以上7.9mm未満豆腐、味噌、納豆、豆乳など主に加工食品に使用されることが多いです。
小粒大豆 5.5mm以上7.3mm未満納豆として使われることが多いです。
極小粒大豆 4.9cm以上5.5mm未満納豆として使われることが多いです。味噌や醤油などの発酵食品に使われることもあります。

参考:公益財団法人日本豆類協会 豆類時報|農林水産省総合食料局食糧部 上藤恭一「行政情報|大豆、小豆及びいんげんの農作物検査規格について(上)」

大豆の種類別 特徴や産地一覧!

大豆 種類 特徴

大豆の色による違いについて、特徴や産地を詳しく見ていきましょう。

黄大豆

黄大豆は、大豆の中でも特にメジャーな種類です。豆腐や味噌、納豆、豆乳などほとんどの大豆加工品は、黄大豆から作られています。

黄大豆の特徴
  • 栄養素をバランスよく含んでおり、特にたんぱく質が豊富です。ビタミンB群、食物繊維、必須アミノ酸、イソフラボンなど多くの機能性成分も含まれています。
  • 黄大豆は豆腐、豆乳、納豆、味噌、醤油などの大豆加工品の基本的な材料として使われます。最近では大豆ミートや大豆ミルクの原料としても使用されています。
  • くせがなく使いやすいため、多くの料理に使われます。
黄大豆の主な生産地
  • 日本では、沖縄を除き大豆は全国的に栽培されています。特に北海道が日本最大の大豆生産地です。
  • 海外でも世界中で栽培されており、アメリカが最も多く7割を占め、次いでブラジルが続きます。日本の大豆の国内自給率は低く6%(2020年)であり、ほとんどを海外からの輸入に頼っています。

黄大豆の品種は何百もあるといわれるほど多くあります。

国内の黄大豆の主な品種は以下の5つであり、この5つで流通量の7割以上を占めます。

農林水産省「大豆の新品種の開発・普及」をもとに筆者作成

それぞれの品種の特徴を活かして大豆加工品に利用されています。

主な大豆加工品適している品種適性
豆腐フクユタカ(東海~九州)などたんぱく質の含有量が多く、加工性がよいもの
油揚げフクユタカ(東海~九州)など
あじわい(アメリカ産)など
加工性がよいもの
酸化しにくいもの
豆乳とよまさり(北海道産)、フクユタカ(東海~九州)、タマホマレ(中国四国産)、殻の極(中国産)など糖質含量が高くコクや甘みのあるもの
煮豆や味噌とよまさり(北海道産)など糖含有量が高いもの

参考:大豆卸問屋のリヨーコクシヨウジ(株)|加工食品におすすめの大豆

煮豆・納豆など豆の形がそのまま製品になるものは、成分だけでなく外観や粒揃いも品質を決定する要因になります。

そのため、粒揃いがいいもの、煮えむらがないこと、味噌は色調がいいことなども、品種を選ぶ大切なポイントになります。

参考:農林水産省「国産大豆の品種特性」
農林水産省「大豆の豆知識」

黒大豆

次に一般的な大豆として、黒大豆を紹介します。

黒大豆の特徴
  • 皮が黒色で、縁起物としておせちの一品「黒豆」として有名。黒豆茶も親しまれています。
  • 一般の大豆が30グラム程度に比べて、丹波黒は80~90グラムとかなり大粒。煮豆にすると表面がツヤツヤで「黒ダイヤ」ともいわれています。
  • 栽培期間が長く、手作業で手間がかかることもあり、価格が高いです。
  • アントシアニンなどポリフェノールが豊富で、アンチエイジングなどの健康効果も注目されています。
  • オリゴ糖も含まれており、腸内環境の改善に寄与します。
黒大豆の主な産地
  • 兵庫県篠山市や、隣接する岡山県、京都府などで栽培されています。黒豆の品種の中では「丹波黒」がブランド化され有名。
  • 北海道や東北地方でも栽培されています。北海道産は「光黒(ひかりぐろ)」、東北地方産は「雁喰(がんくい)」などが有名。

参考:兵庫県|兵庫の丹波黒(大豆)

青大豆

青大豆も聞かれたことがある方もいるのではないでしょうか。

青大豆の特徴
  • 皮が緑色の大豆。エンドウ豆(グリーンピース)とは違います。
  • 青大豆のきな粉は「うぐいす粉」といわれ、和菓子で使われます。
  • 油分が少なくさっぱりとした甘みで、豆腐やゆで豆、浸し豆に利用されます。
  • 病気にかかりやすい大豆で栽培が難しく、生産が不安定です。
  • 青大豆の一種に鞍掛(くらかけ)豆があります。緑と黒のツートーンカラーという見た目から「パンダ豆」、香りや味が海苔に似ていることから「海苔豆」とも呼ばれます。豆の美味しさを味わうためそのまま食べるのがおすすめです。
青大豆の主な産地
  • 北海道や東北地方の一部で一定生産されていいます。
  • 奈良県の中山間地域で在来の青大豆が栽培されています。

参考:農研機構|良質で栽培適性に優れる青大豆新品種候補系統だいず「東山青211号」

その他の大豆

茶大豆

さやが薄茶色の大豆を茶大豆といいます。皮が薄いため塩ゆでやそのまま食べるのに向いています。山形県庄内地方で生産される、地域特産のブランド豆として「ただちゃ豆」が有名。

白大豆

黄大豆よりも白く、へその部分も白色であることが特徴です。生産量が少なく希少。ミネステローネなどに合います。

赤大豆

「幻の大豆」といわれるほど希少価値の高い大豆です。西日本の限られた地域で生産されています。甘みが強く食感は柔らかいので、煮豆がおすすめ。

参考:おいしい山形ホームページ|だだちゃ豆|やまがた伝統野菜

大豆の種類ごとの適性が活かされている

大豆 種類

この記事では、以下のことを解説してきました。

  • 大豆の種類は色や大きさで分けられる
  • 色や大きさによって、味わいや色、形状、栄養素の含有量、用途などが変わってくる。
  • 最も一般的なものが黄大豆で、豆腐や味噌など大豆加工品のほとんどは黄大豆から作られている。
  • 黄大豆以外に、黒大豆、青大豆、茶大豆、白大豆、赤大豆などがあり、それぞれの特徴をもっている。
  • 大豆は国内でも海外でも幅広い地域で生産されており、国内では北海道、海外ではアメリカが最大の生産地。

大豆の種類ごとの適性を活かしてさまざまな大豆加工品が作られ、食卓に登場していることがわかりました。

私たちも大豆の適性をふまえて日々の料理に使い、おいしくいただきたいですね!

目次