大豆は栄養価が高く、タンパク質源としても有名ですよね。
とはいうものの、「大豆タンパク質はとりすぎでも大丈夫なんだろうか」「とりすぎたらどんな影響があるんだろう」そのような心配をしたことはありませんか。
こちらの記事では、
- 大豆タンパク質の健康効果
- 大豆タンパク質のとりすぎが健康に与える影響
- 適切な大豆タンパク質の摂取量
について紹介します。正しい知識をつけて、上手に大豆タンパク質を取り入れていきましょう!
大豆タンパク質は健康にとても良いんです!
大豆タンパク質は、良質なタンパク質源です。タンパク質を構成する栄養成分である「アミノ酸」がバランスよく含まれています。栄養価を表すアミノ酸スコアは最高レベルの100であり、大豆タンパク質のすごさが証明されていますよね。
タンパク質は、臓器や筋肉、肌や髪などを作る大事な栄養素。人間の生命活動の維持に欠かせません。タンパク質には「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」があり、それぞれに一長一短があります。
タンパク質の種類 | 含まれる食品 | 長所 | 短所 |
---|---|---|---|
動物性タンパク質 | 肉、魚、卵、乳製品など | アミノ酸バランスがよく、体内で利用されやすい | カロリーや脂質が多い |
植物性タンパク質 | 豆類、穀類、野菜類など | カロリーや脂質が少なく、食物繊維や抗酸化物質が含まれる | アミノ酸バランスは劣る |
大豆タンパク質は植物性タンパク質に含まれますが、肉や魚などの動物性タンパク質と同じようにアミノ酸バランスがよい上に、植物性タンパク質の長所である食物繊維や抗酸化物質も含まれています。カロリーや脂質も動物性タンパク質より少なめです。大豆タンパク質が、非常に優れたタンパク質ということがわかりますよね。
大豆タンパク質には、たくさんの健康効果があるといわれています。
- 吸収スピードが遅いため、腹持ちがいい。食べ過ぎ防止になる
- 吸収率が高く(95%以上)、効率的に栄養を体内に取り込める
- 脂質の代謝を促進し、脂肪を燃焼させやすくする
- コレステロールを下げる
- 肥満防止効果がある
- 血圧上昇を抑える
大豆タンパク質は、毎日の健康維持や、ダイエットや筋トレに励むときのおともにぴったりですね。
出典:モリナガ|大豆タンパク質は様々な健康効果が期待できる!
真鍋久.『大豆タンパク質の機能性を探る』.日本調理科学学会誌.2005
大豆タンパク質のとりすぎが健康に与える影響とは…?
大豆タンパク質は健康によいものの、とりすぎするのもよくありません。大豆タンパク質のとりすぎはさまざまな健康被害につながる可能性があります。具体的には、次のような影響が考えられています。
- 肝臓や腎臓に負担がかかる
- 食物繊維の摂りすぎにつながり、腸内バランスが崩れ、腹痛や下痢を起こす
- 大豆イソフラボンの摂りすぎとなり、ホルモンバランスの乱れなどにつながる
- カロリーや脂質の過剰摂取となる
- 大豆アレルギーを引き起こすこともある
- 肝臓がんや甲状腺機能低下のリスクが生まれる
- 大豆食品の中でも納豆は抗凝固剤ワーファリンとの相性が悪く、ワーファリンの効果を弱める
出典:健達ねっと|大豆を食べ過ぎるとどうなる?食べ過ぎによる影響や摂取量を紹介
大豆タンパク質のとりすぎは避けた方がいい一方で、不足すると免疫力が低下して病気にかかりやすくなったり、筋力が低下したりします。過不足なく、バランスのよい摂取を心がけましょう。
【まとめ】吸収量や摂取目安量からタンパク質を逆算しよう!
いかがでしたか。
大豆タンパク質はバランスのよい優れたタンパク質源である一方で、とりすぎはさまざまな健康被害につながる可能性があることがわかりましたね。
それでは、どの程度の大豆タンパク質を摂取するのが望ましいのでしょうか。
大豆タンパク質の維持必要量と摂取推奨量
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、19歳以上の男女のタンパク質の維持必要量は、1日あたり0.66g/kg体重とされています。また、摂取推奨量は以下の通りです。
年齢・性別 | 1日のタンパク質の摂取推奨量 |
---|---|
18~64歳男性 | 65g |
65歳以上男性 | 60g |
18歳以上女性 | 50g |
妊婦(中期) | +5g |
妊婦(後期) | +25g |
授乳婦 | +20g |
妊娠中・授乳中の女性のほか、青年期の子どもやアスリートなどもより多くのタンパク質量を必要とします。
タンパク質の吸収量
タンパク質を摂取する際は、タンパク質の吸収量にも注目する必要があります。吸収率を高めるポイントは次のふたつです。また、高齢者は吸収率が低くなっているため、意識的に十分な量の摂取を心がけることが大切です。
- こまめに摂ること
-
吸収や貯蔵の点から、3食の食事と間食の機会を活用してこまめに摂取することが大切です。食事を抜くと摂取量が減ってしまうため、欠食しないようにしましょう。
- ビタミンB6、B2、Cなどと一緒に摂る
-
ビタミンB6は赤身の魚や脂の少ない肉類、ビタミンB2は魚や乳製品、ビタミンCは野菜や果物に多く含まれています。バランスよくさまざまな種類の食品を一緒に食べることが大切ですね。
大豆タンパク質の摂取目安量
代表的な大豆食品に含まれる大豆タンパク質量は次のとおりです。摂取目安量の参考にしてぜひ毎日の食卓に取り入れてくださいね。
- 生ゆば1枚(50g)…10.9g
- 油揚げ1枚(25g)…5.9g
- 挽きわり納豆1パック(40g)…6.6g
- 厚揚げ1枚(130g)…13.9g
- 木綿豆腐1丁(350g)…24.5g
- 豆乳1杯(200g)…7.2g
以上を参考に、大豆タンパク質の吸収量や摂取目安量をふまえて、自身が摂取すべき必要量を逆算しましょう。適切な量の摂取を続けることで、いきいきと健康的に過ごしていけますよ。
出典:文部科学省|食品データベース
厚生労働省|日本人の食事摂取基準量(2020年度版)
健康長寿ネット|三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量