「この症状ってもしかして大豆アレルギー?」「これから私が大豆アレルギーを発症する可能性ってあるのかな?」・・・そんな不安を感じたことはありませんか。
大豆はさまざまな加工品があり、日常的によく摂取する食べものですよね。特に、ヴィーガンやベジタリアンの人、ダイエットや体作りに励んでいる人は、たんぱく質摂取に大豆をよく利用しているのではないでしょうか。
この記事では、大人になってから大豆アレルギーを発症しないよう知っておくべき知識や情報を紹介していきますね。大豆アレルギーの具体的な症状も説明します。
- 大豆アレルギーは複雑で、大きな個人差があります。大豆アレルギーの不安を感じたら、必ず専門医を受診して指示を仰ぐことが原則です。
- 本記事で、大豆アレルギーに関するすべての情報はお伝えしきれないことをご理解いただいた上で、お読み下さい。
- 記事の情報をもとに今後大豆アレルギーを発症されることがあっても、責任は負いかねますことをご了承下さい。
大豆のアレルギー症状とは?大人も注意
具体的に大豆のアレルギー症状を説明します。
大豆の主なアレルギー症状
- 皮膚・粘膜の症状(じんましん、かゆみなど)
- 口腔内の症状(咳、喉がかゆい、唇が腫れる、息苦しいなど)
- 消化器の症状(腹痛、嘔吐、下痢、血便など)
- 循環器の症状(脈が速い、唇が青白いなど)
- アナフィラキシーショック(血圧低下、意識障害など)
多種多様で個人差もあり、出方はさまざまです。稀ですが命にかかわるアナフィラキシーショックを起こすこともあるため、甘く見てはいけないアレルギーです。
大人の大豆アレルギーとは
乳幼児期に大豆アレルギーを発症した場合、多くの場合大きくなるにつれて治るか軽減の方向に向かいます。
大豆アレルギーは、大人になってからも発症します。大人は急に発症することが特徴的です。
- 大豆加工品ごとや個人差によって発症パターンがさまざま
- じんましんやしっしん、悪寒などが多い傾向がある
- 時間が経ってから症状が出たり、症状が軽く、大豆アレルギーと気がつかない場合がある
大豆が食物アレルギーの原因食品であることは全体のうち1.6%と少ないですが、大豆は大人のアレルギー原因食物の5位と高め。割と多く、注意したほうがいいですね。
大人の場合は、発症した大豆アレルギーが治ることはまずないといわれています。
参考:食物アレルギーの原因食物とアレルゲン表示|公益財団法人ニッポンハム食の未来財団 (miraizaidan.or.jp)
大人が大豆アレルギーを発症する主なパターン
次に、大人が大豆アレルギーを発症する主なパターンを紹介します。
- カバノキ科の花粉との交差反応
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カバノキ科のシラカバやハンノキの花粉症との交差反応で、大豆アレルギーを発症する人が多くいます。
交差反応とは花粉と似た構造のアレルゲンを含む食物を食べると、抗体が花粉と誤認識してアレルギー症状を引き起こすこと
豆乳は、カバノキ科の花粉と構造が似たたんぱく質を含んでいるため、強いアレルギー症状を起こす危険をもち注意が必要です。
口腔症状(口の中がイガイガする、かゆいなど)が多いものの、アナフィラキシーショックを起こして呼吸困難に陥ることもあります。
カバノキ科の花粉とたんぱく質の構造が似ているりんごやももを食べたときも、多くの人が同じような口腔内のアレルギー症状を起こします。
豆乳アレルギーは、カバノキ科の植物の開花時期(特に5~6月頃)の発症が多いもの。
カバノキの花粉症の人や、りんごやももを食べて口の中がかゆくなる人は、豆乳アレルギーの発症も懸念されます。
カバノキ科の花粉に触れやすい時期に豆乳を摂取することは避けたほうがいいでしょう。
- サーフィンと納豆アレルギー
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サーファーは納豆アレルギーを発症しやすいことが、調査によりわかっています。
発症の原因は、納豆のネバネバ成分に含まれるポリガンマグルタミン酸(PGA)という物質が、くらげにも含まれていることにあります。
海でくらげに刺されたサーファーは皮膚からPGAを体内に取り込んでしまい、納豆アレルギーを起こしやすくなるのです。
納豆アレルギーは、摂取して半日程度経過してから症状が出ることがあり、原因をつきとめにくい面があります。
納豆アレルギーは納豆のネバネバ成分に含まれる物質が起因しているため、納豆アレルギーでも他の大豆加工品は大丈夫なパターンが多いです。
- 遺伝的要素や体調不良
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次にあてはまる人・場合も発症しやすいといわれています。
- 遺伝的要素(親がアレルギー体質だと子どももアレルギーになりやすい)
- アトピー性皮膚炎の人
- ストレスをかかえているとき
- 疲れているとき
- 体調が優れないとき
自分の特性や状況を見極め、不安を抱えるときは原因になりやすい食材を避けるのもひとつの対策といえますね。
大人の大豆アレルギーの原因
食物アレルギーを発症する原因といわれているものを2点紹介します。
- 経口感作型
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特定の食物を日常的に食べていることで、その食物にアレルギー反応を引き起こします。
- 腸管外感作型
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日常的に特定の食品の調理や加工に携わることで、その食物にアレルギー反応を引き起こします。
腸管外感作型では、花粉症が起因して食物アレルギーを発症することが多いです。
大人の食物アレルギーの原因は、上のふたつの理由が半分半分程度の割合とのこと。
大人のアレルギーはいったん発症するとまず治らないとのことなので、発症させないにこしたことはありません。
可能な範囲で気に留めながら生活を営めたらいいですね。
参考:第一三共ヘルスケア|食物アレルギー、大人になってから発症することもあるの!?
注意すべき大豆アレルギーで食べられないもの
大豆アレルギーの人が食べてもいいものと食べてはいけないものを具体的に紹介します。
大豆アレルギーの人が食べてもいいもの
- 味噌、醤油
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醸造過程で成分がかわるため、アレルギーは起きにくいとされます。
- 大豆油
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製造過程で成分がかわるため、アレルギーは起きにくいとされます。
- 他の豆(いんげん、あずきなど)
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大豆とは違う豆類のため、食べても大丈夫です。
大豆アレルギーの人が食べてはいけないもの
- 枝豆
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枝豆は大豆が熟す過程で収穫した豆であり、大豆の一種のため食べてはいけません。
- 黒豆
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黒豆も大豆の一種のため、食べてはいけません。
- 大豆もやし
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大豆もやしは大豆でできているので、食べてはいけません。スーパーで主に流通している緑豆もやしは、別の豆になるため食べても大丈夫です。
注意を要するもの
- カレーやシチューのルウ
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大豆を使用しているものもあるので、原材料表記を確認しましょう。
- 菓子類
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きな粉やおから、豆乳など大豆加工品を使用している場合があるので、原材料の確認が必要です。
- たんぱく加水分解物、乳化剤、レシチン
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これらに大豆が入っている可能性があります。
大豆はアレルギー表示「推奨」品目であり、表示義務はありません。そのため書かれていない場合もあります。製造元に問い合わせるか、摂取を控える必要があります。
- ・豆乳、ゆば
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豆乳やゆばは、味噌や納豆に比べて加工の程度が低く大豆アレルギーを起こしやすいとされます。
一般的には以上のように言われていますが、大豆アレルギーは個人により食べられるものに差があります。
豆腐を食べられる人もいますが、豆腐やきな粉で発症する人もいます。個人差がかなり大きいのが大豆アレルギーなのです。
参考: 独立行政法人環境保全機構 ぜんそく予防のための食物アレルギー対応ハンドブック2021改訂版(p39に大豆の記載)
まとめ
いかがでしたか。
- 大人になってからも大豆アレルギーを発症する
- アレルギー症状は多種多様で人により個人差が大きい
- 食べられる大豆加工品も人により違う
- カバノキ科の花粉症の人は大豆アレルギーにかかりやすく、特に豆乳で起きやすい
- サーファーが納豆アレルギーを発症したり、遺伝的な要素や体調不良をきっかけに発症するパターンもある
- アレルギーの専門医に相談しながら摂取を考えることが原則
といった点を説明してきました。
知識をつけることで生活習慣に気をつけることができ、大豆アレルギーの発症をくいとめられるでしょう。
仮に大豆アレルギーを発症しても、上手にコントロールしながら付き合っていくことはできますよね。
大豆アレルギーについて詳しくなり、今後の生活に取り入れていただけましたら幸いです。