大豆は栄養価が高く、健康にいい成分が多いことで有名ですよね。食物繊維もたくさん含まれています。
大豆がどれくらいの食物繊維を含んでいるのか、また、食物繊維の種類やその健康効果についても見ていきましょう。
大豆には食物繊維が豊富
大豆は、食物繊維が豊富です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。不溶性食物のほうが多く含まれていますが、水溶性食物繊維も含まれるバランスのいい食品です。
大豆製品に含まれる食物繊維の量
さまざまな大豆製品に含まれる食物繊維の量(100gあたり)は、以下のとおりです。
大豆製品 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 | 食物繊維総量 |
---|---|---|---|
乾燥大豆 | 1.5 | 16.4 | 21.5 |
ゆで大豆 | 0.9 | 5.8 | 8.5 |
水煮大豆 | 0.4 | 6.4 | 6.8 |
蒸し大豆(黄大豆) | 2.3 | 6.5 | 10.6 |
きなこ(全粒大豆・黄大豆) | 2.7 | 15.4 | 18.1 |
いり大豆(黄大豆) | 2.4 | 17.1 | 19.4 |
納豆(挽き割り) | 2.0 | 3.9 | 5.9 |
豆腐(木綿) | 0.1 | 0.3 | 1.1 |
油揚げ | 0.2 | 0.4 | 0.5 |
湯葉(生) | 0.2 | 0.6 | 0.8 |
豆乳 | 0.2 | 0 | 0.9 |
※水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の量を足した量が必ずしも食物繊維の総量となるわけではない
(それぞれ異なる性質を持っていて、単純に足し合わせることができないため)
食物繊維が多いとされている他の食品の食物繊維の量(100gあたり)は、以下のとおりです。
食品 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 | 食物繊維総量 |
---|---|---|---|
ごぼう(ゆで) | 2.7 | 3.4 | 6.1 |
さつまいも(やきいも) | 1.1 | 2.4 | 4.5 |
板こんにゃく(精粉) | 0.1 | 2.1 | 2.2 |
ぶなしめじ(ゆで) | 0.1 | 4.0 | 4.2 |
バナナ | 0.1 | 1.0 | 1.1 |
※水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の量を足した量が必ずしも食物繊維の総量となるわけではない
(それぞれ異なる性質を持っていて、単純に足し合わせることができないため)
他の食品にひけをとらず、大豆に含まれる食物繊維の量は優秀であることがわかりますよね。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維
食物繊維とは「人の消化酵素によって消化されにくい、食物に含まれる難消化性成分」のこと。
人間の体内では消化されないもののため、一昔前は体に不要なものとされていました。しかし、現在では、健康のために重要な役割を果たすと考えられるようになり、「第6の栄養素」といわれています。
食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のふたつに分類されます。
【水溶性食物繊維】
特徴 | 健康効果 | 多く含まれている食品 |
---|---|---|
・水に溶ける ・消化器官を通過するときに水と結合してゲル状になる | ・血糖値の上昇を緩和 ・善玉菌の増殖を促進 ・コレステロールの吸収を抑制する | 海藻類(わかめ、昆布など) 果物類(りんご、プルーンなど) 穀類(オーツ麦、玄米など)など |
【不溶性食物繊維】
特徴 | 健康効果 | 多く含まれている食品 |
---|---|---|
・水に溶けない ・腸内で水分を吸収して便を柔らかくして腸の動きを促進する ・腸内に溜まった老廃物を絡めて体外に排出する | ・便秘の予防や改善 ・腸内の健康維持 ・消化器官の働きをサポート | 豆類(大豆、そら豆など) きのこ類(きくらげなど) 野菜類(ブロッコリー、さつまいもなど) |
「水溶性食物繊維でおなかの環境を改善し、不溶性食物繊維で便を出しやすくする」イメージですね。ふたつの食物繊維の働きにより、腸内環境の改善や糖尿病や肥満、心疾患・血管疾患の予防・改善などの健康効果が期待できます。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維はそれぞれ違う働きがあるので、両方あわせて摂取することで健康維持に役立ちますよ。同時に摂取した場合、互いに相互作用することがあるのです。
1日にどれくらいの大豆を食べると食物繊維は足りる?
食物繊維の一日あたりの摂取目安量は、18歳以上の男性は21g以上、女性は18g以上とされています。一方、日本人の平均摂取量は、一日あたり14g前後と推定されています。
そのため、一日あたりプラス3~4gを目標にするといいといわれています。
主な大豆製品の一食分の食物繊維の量は、以下のとおりです。
大豆製品 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 | 食物繊維総量 |
---|---|---|---|
納豆1パック(50g) | 1.0 | 2.0 | 3.0 |
蒸し大豆(50g) | 1.2 | 3.3 | 5.3 |
きなこ大1(7.5g) | 0.2 | 1.2 | 1.4 |
豆腐1/2丁(200g) | 0.2 | 0.6 | 2.2 |
※小数点第二位以下は四捨五入
※水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の量を足した量が必ずしも食物繊維の総量となるわけではない
(それぞれ異なる性質を持っていて、単純に足し合わせることができないため)
平均的な食生活を送っている人であれば、あと3~4gの食物繊維を加えて摂取すればよいので、納豆1パック(50g)や蒸し大豆(50g)を加えると目標値をクリアできます。食卓のもう一品に納豆や蒸し大豆を加えるのであれば、気軽にチャレンジできそうですよね。蒸し大豆は市販のものも販売されていますよ。
ただし、大豆の摂りすぎは推奨されていません。継続的な過剰摂取は、大豆に含まれるイソフラボンの働きによりホルモンバランスの乱れなどを起こすリスクが提唱されています。
厚生労働省が推進する「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」によると、大豆を含む豆類の1日の摂取量は100gとされています。他の食品とのバランスを考えながら、適量の大豆製品を取り入れていくのがよさそうですね。
参考までに他の食品一食あたりの食物繊維の量は、以下のとおりです。
食品 | 水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 | 食物繊維総量 |
---|---|---|---|
きんぴらごぼう(70g) | 1.9 | 2.4 | 4.3 |
やきいも1本(200g) | 2.2 | 4.8 | 9.0 |
板こんにゃく(100g) | 0.1 | 2.1 | 2.2 |
ゆでしめじ(70g) | 0.1 | 2.8 | 2.9 |
バナナ1本(可食部90g) | 0.1 | 0.9 | 1.0 |
※小数点第二位以下は四捨五入
※水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の量を足した量が必ずしも食物繊維の総量となるわけではない
(それぞれ異なる性質を持っていて、単純に足し合わせることができないため)
足りない食物繊維分を補うために、大豆製品のほか、きんぴらごぼう、やきいも、こんにゃく、しめじ、バナナなども積極的に加えていきたい一品ですね。
参考
厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)
厚生労働省|食物繊維の必要性と健康
厚生労働省|「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」
まとめ
大豆の食物繊維についておわかりいただけたでしょうか。
こちらの記事では、
- 大豆は食物繊維が豊富
- 大豆は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含んでおり、両方が健康維持のために大事な役割をしている
- 日本人が一日の食物繊維の目標摂取量をクリアするためには、納豆1パック(50g)や蒸し大豆50gをあと一品に加えると効果的
- 他の食品とあわせてバランスよく食物繊維を摂取していくことが大切
ということがわかりました。
ぜひ大豆の力を借りて食物繊維を十分に摂取し、健康にいきいきと過ごしていきましょう!