「男性の大豆摂取量はどれくらいがベストなんだろう」、「大豆を食べ過ぎてしまうことで、一体どのような悪影響があるのだろう」と考えている男性は少なくないでしょう。
大豆には不飽和脂肪酸やエネルギー、たんぱく質だけでなく、食物繊維やビタミンB・E、ミネラル成分が豊富に含まれており、健康促進や美容に役立つ食品です。しかし、大豆を食べすぎてしまうと、大豆イソフラボンに含まれるエストロゲンがホルモンバランスを乱すことで、体調不良におちいってしまうリスクも考えられます。
大豆に含まれる栄養素や食べすぎることで男性の体内で起きる影響、おすすめの摂取量について知り、日々の生活に賢く大豆食品を取り入れて健康体を目指しましょう!
大豆を食べ過ぎになると栄養過多に!?
厚生労働省の定めた大豆イソフラボンの1日あたりの推奨摂取量によれば40〜50gです。また、食品安全委員会が定めた基準を見てみると、大豆イソフラボンの推奨摂取量は1日75mgとなっています。
骨粗しょう症の予防や抗酸化作用を実感するためには1日75mgの大豆イソフラボンの摂取が求められていますが、約9割の方は大豆イソフラボンの摂取が足りていない状況です。
食品別の大豆イソフラボンの含有量は以下のとおりです。
- 納豆2パック(45g×2):約71mg
- 豆腐一丁(300g):約80mg
- 豆乳(200g):約82mg
- 厚揚げ(30g):約12mg
- みそ(20g):約6mg
- 醤油(5.85g):約0.08mg
大豆には大豆イソフラボンだけではなく、ビタミンB・E群、食物繊維、不飽和脂肪酸など、健康や美容に役立つ栄養素が豊富に含まれています。ただし、エネルギーも100gあたり372キロカロリーと高く、食べすぎると太ってしまうことも。
ただし、1日あたり75mgを超えて摂取したらNGという訳ではありません。75mgを目安に大豆食品を摂取し続けることで、健康・美容効果を実感できるでしょう。習慣的に大豆食品を食べ続けることが大切だといえます。
大豆の食べ過ぎで男性に与える影響とは
大豆イソフラボンは女性ホルモンに似たような働きをする物質です。女性が大豆を食べすぎた場合は、生理不順や急に体温が高くなったり、紅潮したりする「フットフラッシュ」と呼ばれる症状を引き起こすおそれがあります。
男性が大豆を食べすぎた場合には、ホルモンバランスが乱れ、性的欲求の低下や体型の変化といった効果が見られるという研究結果も。また、一説によれば、精子の数が減少したり、前立腺がんの死亡リスクが上がるという話もあります。
ただし、これらの悪影響は、あくまでも大豆を極端に食べすぎている状況が続くか、現時点では研究・調査結果の信ぴょう性が求められる場合がほとんど。そのため、健康への悪影響を過度に心配する必要はありません。
出典
ロイター|大豆製品の食べ過ぎ、精子の数を減らす可能性=米調査
国立開発研究法人 国立がん研究センター|がん対策研究所 予防関連プロジェクト|大豆食品・イソフラボン摂取と前立腺がん死亡との関連について
どれくらい食べるとNGなの?
大豆の推奨摂取量は大豆イソフラボン75mgです。厚生労働省の調査によれば、毎日70mg以上の大豆イソフラボンを摂取している人は600万人ほどいるので、基準値を超えて大豆を摂取しても健康に特に問題はないでしょう。
食品安全委員会の見解では、75mgを超えて大豆イソフラボンを摂取しても、ただちに健康への被害が認められる訳ではないと結論づけられています。
ただし、食品安全委員会が公表した臨床実験によれば、大豆イソフラボンを150mg含む錠剤を5年間にわたって飲み続けると、閉経後の女性の有病率が高まったというケースも。
男性に対する臨床実験ではないので男性の健康を害する大豆の摂取量については断言できません。しかし、推奨摂取量の2倍にあたる150mgの大豆イソフラボンを摂取し続けると、何らかの病気のリスクが上がる可能性があると仮定されます。
1日あたりの大豆の推奨摂取量である75mgは必ずしも守らなければいけない基準ではありません。しかし、その2倍・3倍の大豆を摂取するのは、未確認の情報を含めてリスクが高いといえるでしょう。
引用元
厚生労働省|平成14年国民栄養調査に基づく 大豆由来食品からの大豆イソフラボン摂取量分布
食品安全委員会|大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方(案)」についての 御意見・情報の募集結果について
食品安全委員会|大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方
まとめ
この記事では、男性が大豆を食べすぎてしまう効果や悪影響、食べすぎると危険な摂取量について解説しました。大豆イソフラボンの推奨摂取量は厚生労働省の基準で1日あたり40〜50mg、食品安全委員会の基準で75mgとされています。
これらの基準を超えて大豆を食べたからといって、すぐに健康被害が見られる訳ではありません。ただし、1日あたり150mgを超える大量の大豆を食べてしまうと、健康被害が見られるケースも報告されています。
推奨摂取量を目安に無理のない量の大豆を食べれば、老化防止や若返り効果、コレステロール値を下げる効果が期待でき、代謝アップ、骨粗しょう症の予防などにも役立ちます。
男性が健康や美容のために大豆を食べようと考える際は、大豆イソフラボンの推奨摂取量である75mgを念頭におきながら、その基準をはるかに超えるような量の大豆を一気に食べないようにしましょう。