【疑問】大豆は何になるのか専門家が解説します

大豆と大豆食品

大豆は変幻自在な食材です。
納豆や豆腐、味噌、醤油など、大豆を原料とする食品や調味料は数多くあります。

この記事では「大豆は何になるのか」を中心に、大豆のすごさや不思議について解説します!

食卓を支えてくれる大豆について、より深く理解していきましょう。

目次

【疑問】大豆の不思議

大豆は栄養価が高い食材です。
三大栄養素である炭水化物・脂質・タンパク質をはじめ、ビタミンB群やミネラルも多く含んでいます。
【参考記事】大豆のカルシウム含有量と1日のカルシウム摂取に必要な大豆の量

大豆に含まれる栄養素は、筋肉や臓器、骨などを形成したり、エネルギー源となったりします。
どれも生命活動や健康のために必要なものばかりです。

土に種をまき、水やりをするだけで育つ大豆は、気軽に自家栽培もできます。
簡単に育てられるにもかかわらず、栄養を豊富に含む不思議な食材なのです。
【参考記事】【図解】大豆の育ち方や育て方を紹介します

また大豆は、さまざまな形となって食卓に現れます。
日本人の食卓に欠かせない納豆豆腐味噌醤油は、すべて大豆の加工品です。

おつまみとしてよく食べられる枝豆は、大豆が若いうちに収穫したもの。
大豆の一般的な収穫時期は10月〜11月頃ですが、枝豆は7月〜8月頃に収穫します。
大豆になる前の段階から美味しく食べられるのも、大豆のすごいところです!

豆類のなかでもタンパク質の含有量が多い大豆は、プロテインの原料としても使われています。
大豆からつくられたプロテインは「ソイプロテイン」と呼ばれ、ダイエットや健康維持のために飲む人が多いです。

近ごろは、大豆を肉のように加工した「大豆ミート」も注目されています。

▼大豆ミート

大豆ミート

大豆ミートは、高タンパク質でありながらコレステロールを含まず、肉に比べてカロリーや脂質が低い食品です。
ハンバーグや唐揚げなどの肉料理を作る際に大豆ミートを使えば、ヘルシーな食卓となります。

変幻自在な大豆は、大いなる可能性を秘めているのです!

大豆は何になるのか?専門家が解説します

変幻自在な大豆

「大豆は何になるのか」について、より詳しく解説していきます!

収穫後の大豆は、はじめにサヤやゴミを取り除き、乾燥させます。
乾燥させた大豆に水を吸わせ、蒸したものが蒸し大豆、煎ったものが煎り大豆です。

蒸し大豆や煎り大豆は、大豆そのものの味わいを楽しめます。
煎り大豆を粉砕すると、おはぎなどの和菓子で定番のきなこになります!

そのほかの大豆食品について、作り方を以下に見ていきましょう。

納豆
納豆作りは、大豆に水を吸わせることから始めます。

水を吸って大きくなった大豆を蒸し、納豆菌を付けて発酵させます。
この発酵によって、納豆特有のネバネバが生まれるのです。

発酵後に熟成させたら、納豆の完成!
熟成の段階では、冷蔵庫で冷やして発酵を落ち着かせます。

豆乳
豆乳は、以下の工程を経た大豆を搾ったものです。

  1. 大豆に水を吸わせ、さらに水を加える
  2. ミキサーなどでなめらかにする
  3. 煮詰める

なめらかな状態の大豆を煮詰めると、表面に膜が張ります。
この膜は、日本料理によく使われる湯葉です。

また煮詰めた大豆を搾って豆乳を作ると、搾りカスが残ります。
この搾りカスは、栄養豊富な「おから」として流通します。

豆腐
豆腐は、豆乳に「にがり」を加えて作ります。
にがりとは、海水を煮詰めて塩を取り出したあとに残る液体のことです。

にがりに含まれる塩化マグネシウムには、タンパク質と混ぜると固まる性質があります。
そのため、タンパク質が豊富な豆乳に「にがり」を加えると、固まっていくのです。

固まった豆乳を容器に入れ、重しを乗せて水を切れば、豆腐の出来上がり!

さらに豆腐を薄く切り、水分を抜いて油で揚げると、油揚げになります。
豆腐をそのまま油で揚げたものは、厚揚げです。

また豆腐を凍らせ、乾燥させると、煮物によく使われる高野豆腐になります。

味噌
味噌作りには、蒸した大豆を使います。

蒸し大豆を潰したら、麹菌を付けた米(米麹)・塩・水と混ぜ合わせます。
これを発酵・熟成させると「米味噌」と呼ばれる味噌になるのです。

国内で販売されている味噌の約80%は、米味噌です。

米を使わず、大豆のみで作った味噌は「豆味噌」と呼ばれています。
豆味噌は、麹菌を付けた蒸し大豆(豆麹)を潰し、塩と水を混ぜ合わせ、熟成させて作ります。

豆味噌が多く生産されているのは、東海地方です。
名古屋名物の「味噌カツ」や「味噌煮込みうどん」にも、豆味噌が使われています。

醤油
醤油は、一般的に以下の流れで作られます。

  1. 蒸した大豆と炒った小麦を混ぜ合わせる
  2. 1に麹菌を加えて醤油麹を作る
  3. 醤油麹と塩水を混ぜて「諸味(もろみ)」を作る
  4. 諸味を定期的にかき混ぜながら、半年ほどかけて発酵・熟成させる
  5. 4を搾り、火入れをする

醤油は熟成期間が長いほど、色や味が濃くなります!

【まとめ】大豆は可能性を秘めた食材だった

大豆

今回は、大豆の不思議や、大豆食品の作り方について紹介しました。

栄養価が高い大豆は、さまざまな姿で食卓を支えてくれています。
昔から親しまれてきた豆腐味噌はもちろん、大豆ミートのように新たに注目され始めた食品もあります。

大豆は、可能性を大いに秘めた食材なのです。

「気づいたら大豆食品ばかり食べていた…!」なんてことも考えられますが、大豆の食べ過ぎには注意してくださいね。
【参考記事】大豆タンパク質のとりすぎが健康に与える影響とは?

適切な量の大豆を食卓に取り入れて、健康的な生活を目指しましょう♪

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